ゲーミングモニターを選んでいると、HDR対応やDisplayHDR 1000といった表記をよく見かけます。
しかし、HDRが本当に必要なのか、数字が大きいほど必ず高画質なのか、分かりにくい人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ゲームにHDRが向いている場面と優先度が低い場面を整理し、DisplayHDRとDisplayHDR True Blackの違い、おすすめモデル12選を紹介します。
まず結論|HDRは映像美を重視する人ほど価値が高い

HDRは、すべてのゲーマーに必要な機能ではありません。
HDR対応のRPG、オープンワールド、アクション、ホラー、レースゲームなどで、光のまぶしさ、暗い場所の奥行き、夕焼けや炎の色まで楽しみたい人には相性のよい機能です。
一方、競技FPSでフレームレートを最優先する人や、予算を抑えたい人は、HDRの優先度を下げても問題ありません。
PCやゲーム機の性能によっては、解像度、フレームレート、画質設定、HDRのすべてを最高にできない場合もあります。どこを優先し、どこまで妥協できるかで選びましょう。
| 使い方 | HDRとの相性 | 選び方 |
|---|---|---|
| RPGやオープンワールド | 相性がよい | 映像美を重視するならHDR対応モデル |
| 暗い部屋で映像を楽しむ | 相性がよい | OLED / DisplayHDR True Black |
| 明るい部屋で迫力を求める | 相性がよい | Mini LED / DisplayHDR 1000以上 |
| FPSと高画質ゲームを両立 | 用途次第 | 高Hz対応のHDRモデル |
| 競技FPSを中心に遊ぶ | 優先度は低め | リフレッシュレートや遅延を優先 |
| 価格を最優先する | 優先度は低め | HDR性能を無理に求めない |
HDRとは?明るい部分と暗い部分を細かく表現する技術
HDRは「High Dynamic Range」の略で、従来のSDRよりも広い明るさの範囲を表現する技術です。
明るい光と暗い背景が同時に映る場面でも、白飛びや黒つぶれを抑えやすくなります。
たとえば、暗い洞窟に差し込む光、夜空の星、爆発や炎、夕焼けなど、明暗差の大きい場面で効果を感じやすい機能です。
ただし、HDRの効果を正しく得るには、モニターだけでなく、ゲームや動画などのコンテンツ側もHDRに対応している必要があります。
HDR非対応のゲームでHDR表示を無理に有効にすると、色や明るさに違和感が出る場合があります。基本的には、HDR対応タイトルで使用するのがおすすめです。
HDR対応とDisplayHDR認証は違う

商品ページに「HDR対応」と書かれていても、それだけで高いHDR性能が保証されるわけではありません。
HDR10は、HDR映像を機器からモニターへ送るための規格です。一方、DisplayHDRは、画面の明るさ、黒の深さ、色域などを基準に評価するVESAの認証です。
HDR性能を重視するなら、「HDR対応」という表記だけでなく、DisplayHDRまたはDisplayHDR True Blackの認証等級を確認しましょう。
DisplayHDRとDisplayHDR True Blackの違い
液晶モニターとOLEDモニターでは、HDR性能を評価する規格が異なります。
| 規格 | 主なパネル | 得意な表現 | 向いている環境 |
|---|---|---|---|
| DisplayHDR | 液晶 | 高輝度、明るい光、広い明暗差 | 明るい部屋にも向く |
| DisplayHDR True Black | OLED・QD-OLED | 深い黒、暗部の階調、高コントラスト | 暗い部屋で強みを発揮 |
DisplayHDRは、液晶モニターのバックライトやローカル調光を含めて評価する規格です。数字が大きいほど、より高い明るさやコントラストが求められます。
DisplayHDR True Blackは、画素ごとに発光を制御できるOLEDなどを対象とした規格です。暗い部分を限りなく黒に近づけられるため、夜景や暗い室内の立体感に優れます。
ただし、DisplayHDR 600とTrue Black 500のように、異なる規格の数字だけを見て性能を比較することはできません。
おすすめのHDR規格はどれ?

液晶ならDisplayHDR 600以上が目安
液晶モニターでHDR性能を重視するなら、DisplayHDR 600以上を目安にすると選びやすいです。
DisplayHDR 400は入門規格であり、ローカル調光を搭載しないモデルもあります。HDR映像を表示できても、SDRとの違いを大きく感じにくい場合があります。
DisplayHDR 600は、高解像度や高リフレッシュレートとHDRを両立したい人に選びやすい中間クラスです。
光のまぶしさや暗い背景との明暗差まで重視するなら、Mini LEDを採用したDisplayHDR 1000以上が有力です。
OLEDならTrue Black 400以上でも有力
OLEDでは、DisplayHDR True Black 400以上が有力候補になります。
True Black 400は数字だけを見るとDisplayHDR 600より低く見えますが、深い黒と画素単位の明暗制御が強みです。
黒の深さに加えて、明るい光の表現も重視するならTrue Black 500以上を選びましょう。
| 規格 | 位置づけ | おすすめする人 |
|---|---|---|
| DisplayHDR 400 | 液晶の入門 | HDR対応を低予算で試したい人 |
| DisplayHDR 600 | 液晶の中間 | 高解像度や高HzとHDRを両立したい人 |
| DisplayHDR 1000 | 本格的なHDR | Mini LEDの明暗表現を求める人 |
| DisplayHDR 1400 | 液晶の上位 | 明るさと迫力を最優先する人 |
| True Black 400 | OLEDの基準 | 深い黒と高コントラストを求める人 |
| True Black 500 | 明るさを高めたOLED | 黒と明るい光を両立したい人 |
HDRゲーミングモニターおすすめ12選
ここからは、DisplayHDRとDisplayHDR True Blackの等級別に、おすすめのゲーミングモニターを紹介します。
本記事では、HDR性能とゲーム用途での選び分けを中心に扱います。映画鑑賞を最優先する場合は、専用記事も参考にしてください。
DisplayHDR 600おすすめ3選
DisplayHDR 600は、高解像度や高リフレッシュレートとHDRをバランスよく組み合わせたい人向けです。
Dell Alienware AW2725QF-A|4KとフルHDを切り替えられる万能モデル
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | IPS |
| 解像度 | 3840×2160 / 1920×1080 |
| リフレッシュレート | 4K 180Hz / FHD 360Hz |
| HDR | DisplayHDR 600 |
AW2725QF-Aは、4K 180HzとフルHD 360Hzを切り替えられるデュアル解像度モデルです。
RPGでは4KとHDRによる高精細な映像、FPSではフルHDの高リフレッシュレートを選べます。幅広いゲームを1台で楽しみたい人に向いています。
SONY INZONE M9 II|PS5とのHDR連携を重視する人向け
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | IPS |
| 解像度 | 3840×2160 |
| リフレッシュレート | 160Hz |
| HDR | DisplayHDR 600 |
INZONE M9 IIは、4K、直下型LED部分駆動、DisplayHDR 600を組み合わせたモデルです。
PS5・PS5 Proとの接続では、オートHDRトーンマッピングに対応。難しい調整を減らしながら、明るい部分と暗い部分の情報を表示しやすいのが魅力です。
ASUS ROG Strix 5K XG27JCG|5Kの高精細表示を求める人向け
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | Fast IPS |
| 解像度 | 5120×2880 / 2560×1440 |
| リフレッシュレート | 5K 180Hz / WQHD 330Hz |
| HDR | DisplayHDR 600 |
ROG Strix 5K XG27JCGは、27インチに5K解像度を採用した高精細モデルです。
5K 180HzとWQHD 330Hzを切り替えられるため、細かな映像を楽しむゲームと高fpsを狙うゲームを使い分けられます。ただし、5Kゲームには高いPC性能が必要です。
DisplayHDR 1000おすすめ3選
DisplayHDR 1000は、Mini LEDによる高輝度とローカル調光を重視する人向けです。
I-O DATA EX-GDQ271JLAQ|WQHDで本格的なHDRを狙える高コスパモデル
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | AHVA+Mini LED |
| 解像度 | 2560×1440 |
| リフレッシュレート | 200Hz |
| HDR | DisplayHDR 1000 |
EX-GDQ271JLAQは、WQHD、200Hz、Mini LEDを組み合わせたDisplayHDR 1000モデルです。
4Kよりゲーム負荷を抑えながら、強い光と暗い背景の差を楽しめます。本格的なHDRへ進みたい人が選びやすいバランス型です。
AOC Q27G40XMN/11|QD-Mini LEDを手頃に導入したい人向け
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | Fast VA+量子ドット |
| 解像度 | 2560×1440 |
| リフレッシュレート | 180Hz |
| HDR | DisplayHDR 1000 |
Q27G40XMNは、Fast VA、量子ドット、1152ゾーンのMini LEDを組み合わせたWQHDモデルです。
VAパネルの高いコントラストを活かしながら、DisplayHDR 1000の明るさも狙えます。価格とHDR性能のバランスを重視する人に向いています。
MSI MPG 274URDFW E16M|4K Mini LEDと白い筐体を両立
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | Rapid IPS+Mini LED |
| 解像度 | 3840×2160 / 1920×1080 |
| リフレッシュレート | 4K 160Hz / FHD 320Hz |
| HDR | DisplayHDR 1000 |
MPG 274URDFW E16Mは、4K、1152ゾーンMini LED、量子ドットを搭載したホワイトモデルです。
RPGでは4KとHDR、FPSではフルHD 320Hzを利用できます。HDR性能だけでなく、デスク環境の色や接続性にもこだわりたい人向けです。
DisplayHDR 1400おすすめ2選
DisplayHDR 1400は、液晶モニターで強い光や迫力を最優先する人向けの上位規格です。
I-O DATA EX-GDU271JLAQD|2304ゾーンMini LEDの高性能モデル
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | HFS+Mini LED |
| 解像度 | 3840×2160 / 1920×1080 |
| リフレッシュレート | 4K 180Hz / FHD 360Hz |
| HDR | DisplayHDR 1400 |
EX-GDU271JLAQDは、4K、2304ゾーンMini LED、DisplayHDR 1400を組み合わせた高性能モデルです。
細かなローカル調光によって、暗い背景の中にある炎や照明を強く表現しやすいのが魅力。4K 180HzとフルHD 360Hzも切り替えられます。
REGZA RM-G278R|低反射とREGZAの画質処理を重視する人向け
| 画面サイズ | 27インチ |
| パネル種類 | Fast IPS+Mini LED |
| 解像度 | 3840×2160 / 1920×1080 |
| リフレッシュレート | 4K 160Hz / FHD 320Hz |
| HDR | DisplayHDR 1400 |
RM-G278Rは、1152分割Mini LED、量子ドット、低反射コートを採用した4Kモデルです。
明るい部屋でも映り込みを抑えながら、DisplayHDR 1400の高輝度を活かしやすいのが特徴。ゲームだけでなく、映画やスポーツも楽しみたい人に向いています。
DisplayHDR True Black 400おすすめ2選
True Black 400は、暗い部屋で深い黒と高コントラストを重視する人に向いています。
Dell Alienware AW2725Q|Dolby Vision対応の4K QD-OLED
| 画面サイズ | 26.7インチ |
| パネル種類 | QD-OLED |
| 解像度 | 3840×2160 |
| リフレッシュレート | 240Hz |
| HDR | True Black 400 |
AW2725Qは、27インチクラスの4K QD-OLEDに240HzとDolby Visionを組み合わせたモデルです。
高い画素密度と深い黒により、暗い場面の細部まで楽しみやすいのが魅力。RPG、ホラー、映像作品を高精細に楽しみたい人に合います。
MSI MAG 272UP QD-OLED X24|4K QD-OLEDをバランスよく選びたい人向け
| 画面サイズ | 26.5インチ |
| パネル種類 | QD-OLED |
| 解像度 | 3840×2160 |
| リフレッシュレート | 240Hz |
| HDR | True Black 400 |
MAG 272UP QD-OLED X24は、4K、240Hz、True Black 400を備えたQD-OLEDモデルです。
深い黒と高精細な表示を両立し、OLED Care 2.0によるパネル保護機能も搭載。映像美と高速表示の両方を重視する人に向いています。
DisplayHDR True Black 500おすすめ2選
True Black 500は、OLEDの深い黒に加えて、明るい光の表現も重視する人向けです。
LG 27GX700A-B|明るさを高めた第4世代OLED
| 画面サイズ | 26.5インチ |
| パネル種類 | OLED |
| 解像度 | 2560×1440 |
| リフレッシュレート | 280Hz |
| HDR | True Black 500 |
27GX700A-Bは、第4世代OLEDパネルによって明るさを高めたWQHDモデルです。
True Black 500と最大280Hzに対応し、深い黒だけでなく、炎や光源の力強さも重視したい人に向いています。
LG 32GX870B-B|31.5インチ4K OLEDの最上位候補
| 画面サイズ | 31.5インチ |
| パネル種類 | OLED |
| 解像度 | 3840×2160 / 1920×1080 |
| リフレッシュレート | 4K 240Hz / FHD 480Hz |
| HDR | True Black 500 |
32GX870B-Bは、31.5インチ4K OLED、True Black 500、デュアルモードを備えたハイエンドモデルです。
大画面でHDR映像を楽しみながら、フルHD 480Hzの高速表示も利用できます。映像美、迫力、ゲーム性能を1台に集約したい人向けです。
HDRモニターを選ぶときの注意点

- HDR対応だけで判断しない:DisplayHDRまたはTrue Blackの認証を確認する
- 対応コンテンツで使用する:HDR非対応のゲームでは色や明るさに違和感が出る場合がある
- 規格の数字を直接比較しない:DisplayHDRとTrue Blackでは評価するパネルと黒の基準が異なる
- 優先順位を決める:PC性能によっては、解像度・フレームレート・HDRのすべてを最高にできない場合がある
- 部屋の明るさを考える:暗い部屋ならOLED、明るい部屋なら高輝度Mini LEDが選びやすい
- OLEDの固定表示:同じHUDを長期間表示するゲームではパネル保護機能も活用する
よくある質問
HDRはゲームに必要ですか?
必須ではありません。HDR対応のRPG、オープンワールド、アクション、ホラー、レースゲームなどで、映像美や臨場感を重視する場合に相性のよい機能です。
DisplayHDR 400では意味がありませんか?
HDR対応を試す入門規格としては意味があります。ただし、ローカル調光が必須ではないため、HDRらしい明暗差を重視するならDisplayHDR 600以上を比較しましょう。
DisplayHDR 1000とTrue Black 500はどちらが上ですか?
単純な上下関係ではありません。明るい光の力強さを重視するならDisplayHDR 1000、深い黒や暗い場面を重視するならTrue Black 500が向いています。
HDRを使うとゲームが重くなりますか?
HDRを有効にしたときの負荷や動作は、ゲーム、機器、画質設定によって異なります。
高解像度や高い画質設定と組み合わせてフレームレートが下がる場合は、解像度、画質、HDRのどれを優先するか調整しましょう。
まとめ|HDRは画質向上の選択肢として考えよう
HDRは、ゲームの映像美や臨場感を高めたい人には価値のある機能ですが、すべてのゲーマーに必須ではありません。
液晶ならDisplayHDR 600以上を基準にし、本格的な明暗表現を求めるならDisplayHDR 1000以上、深い黒を重視するならOLEDのTrue Black 400以上を比較しましょう。
遊ぶゲームがHDRに対応しているかを確認し、解像度、フレームレート、画質設定の中で何を優先するか決めることが大切です。
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